近年は以前に比べて猛暑が続いていますね。テレビでも連日熱中症への注意喚起がされていますが、私たち人間だけではなくワンちゃんたちの熱中症にも注意が必要です。そこで今回はワンちゃんはどういうときに熱中症になりやすいのか、そして、もしなってしまったときの対策をお伝えします!
ワンちゃんは体温調節が苦手!?
そもそも熱中症は、日射病や熱射病などの総称で、体温調節機能が働かなくなり高体温や脱水になることで生じる全身の疾患です。
ワンちゃんは人間と異なり身体のごく一部(肉球など)でしか汗をかくことができないので、私たち人間と同じように汗をかいて体温調節をすることができません。
ワンちゃんは体温が急上昇すると、身体の熱を下げるためにパンティングと呼ばれる「ハアハア」と激しい呼吸をしますが、熱中症の初期段階ではパンティングが通常よりも速くなります。こうして水分を蒸発させて体温を下げようとしますが、気温や湿度が高かったり、気道に問題があったりする場合、上手く蒸発できず、体温が下がりません。
ワンちゃんが熱中症になりやすい状況
以下の条件でワンちゃんは熱中症を起こしやすくなります。
1.車中で待たせる
2.ずっと外に繋いでおく
3. 締め切った室内でワンちゃんだけでお留守番をさせる
4. 長時間の散歩
原因と予防
1.車中で待たせる
暖かくなると、ワンちゃんと一緒にドライブして遠出する機会も多くなると思います。そんな時、ちょっとの時間でも、ワンちゃんを車の中でひとりだけ待たせていませんか?それは、熱中症のリスクがとても高い行為です。
対策
どんなときも、締め切った車内にワンちゃんを残したままにしないでください。クーラーの効いてない車内は夏場はもちろん春や秋でも予想以上に室温が高くなりがちです。そのような環境にワンちゃんを放置して置くのは危険ですので止めましょう。
仮にエアコンをかけたままひとりにさせたとしても、ワンちゃんが勝手にロックをかけていたりとトラブルの原因となるので控えてください
2. ずっと外に繋いでおく
当たり前ですがワンちゃんは自分でサングラスをかけたりできないので直射日光から身を守るすべを持っていません。なので、直射日光の当たる場所に、ワンちゃんを長居させるのは熱中症の原因となるのでやめましょう。また、人間が思っている以上に日に照らされたコンクリートは大変高温です。そのため、コンクリートの上に長時間待機させることもしないであげてください。
対策
室内に入れる
一番の対策はやはり、涼しい室内に入れてあげることです。日中の暑い時間だけでも玄関や空調が入る場所に入れてあげましょう。
直射日光を避ける
外飼いでどうしてもワンちゃんをお部屋に入れられない場合、犬小屋に日陰を作るとワンちゃんが涼みやすくなります。直射日光が当たらないように、犬小屋に屋根を作ったり、よしずを立てかけるだけでもだいぶ違います。そして、新鮮なお水を用意しておき、ワンちゃんが脱水症状にならないように気を付けてあげましょう。
3. 締め切った室内でワンちゃんだけでお留守番をさせる
油断しがちですが、閉め切った室内も危険がいっぱい。車と同様に温度が高くなるので、「愛犬だけのお留守番」には要注意です!
そもそも、ワンちゃんの熱中症のリスクが高まるのは、高温多湿の環境です。
ワンちゃんにお留守番させるときは戸締りをして出かけるため、高温多湿の環境になりやすいです。ワンちゃんの熱中症を防ぐためにも、ワンちゃんだけでお留守番させるときはエアコンで温度・湿度管理してある環境を作ってあげることが大切です。
対策
愛犬だけのお留守番の場合は、エアコンを使用するのが安全です。ですが、エアコンの冷気は下にたまるので、床で過ごしている愛犬の体が冷え過ぎないか心配になりますよね。そんなときは、エアコンと扇風機やサーキュレーターを併用して、空気を循環させるのがおすすめです。こうすることで、部屋の温度ムラが解消され、愛犬の体の冷え過ぎを防ぐことができます。
4. 長時間の散歩
手を当ててみればよく分かるのですが、日中のアスファルトは鉄板のように熱く焼けており非常に高温なんです。さらに、照り返しの熱もあり、地面に近いところを歩く動物たち、特に小型犬のように足が短い子は人間よりも暑い思いをしています。また、水分の補給をしないで散歩や運動を続けてしまうと、脱水症状により体温調節ができなくなってしまうことがあります。
対策
暑い時期のお散歩は、早朝や日が暮れた後などの涼しい時間に行くようにしましょう。早朝は気温や地面の温度がまだ上がっていないためおすすめです。日が暮れてすぐはまだアスファルトが熱いので、数時間たって、地面を触ってみて熱くないか確認してからにするといいでしょう。
また、散歩中は水分をしっかり補給するようにします。さらに、暑さ対策として首に濡らしたタオルや犬用の保冷剤を入れられるバンダナなどを巻いておくと、熱中症の予防になります。おすすめグッズについてはこの後ご紹介します。
そもそも、暑いお天気の中でワンちゃんを危険にさらしてまでお散歩したくないのであればお散歩に行かないことも選択肢の一つです。
【緊急時】ワンちゃんが熱中症で倒れたらどうしよう
ワンちゃんが熱中症で倒れたり動けなくなった場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。クーラーの効いた車で安静にさせ、できるだけ早く動物病院に向かうのが何よりの応急処置です。
その時、ワンちゃんが水を飲めそうでしたら少しずつ与えてください。胃腸も弱っている状態ですので、一気に大量に与えてしまうと嘔吐の原因になるのでやめましょう。
飲めない時は、口元を濡らしてあげるだけでも効果的ですよ。
ワンちゃんの熱中症予防に効く3つのおすすめグッズ
体温調節がしにくいワンちゃんを熱中症から守るグッズも市販されているので、グッズを活用して熱中症からワンちゃんを守りましょう。
1. クールマット
クールマットのなかにも様々なタイプがありそれぞれ特徴も異なります。例えば、ジェルタイプはすぐにひんやりして、どこでも使いやすいのが特徴です。一方、アルミタイプのマットは、効率よくひんやり感を持続させたい時におすすめです。
2. クールベスト
気化熱でひんやりさせる犬用ウェアです。小型犬のものから大型犬のものまで揃っており、ワンちゃんも気持ちいいのか着てくれる子も多いです。
3. ひんやりネックマフラー
こちらも中に保冷剤を入れるタイプや水に濡らして使用するタイプなど色々な種類があり、ワンちゃんに合ったものを選べます。首元を冷やしてくれるので、体温上昇を防いでくれます。
まとめ
近年は私たち人間も体調を崩すほどの猛暑、特に最近は体温以上の気温になる日が多いですよね。これには、私たちだけではなく、パートナーのワンちゃんも疲れています。無理にお散歩に出かけず一緒に涼んで絆を深める夏にするのも選択肢の一つかもしれませんね。