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発達障害がタンパク質で?!食事が与える影響とは。

発達障害【主に自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)】は未だ解明されていないことが多いですが、遺伝などの先天的な要因によるものがほとんどだと言われています。発達障害といってもグレーゾーンと呼ばれるものから、性格や個性の範囲といえるものまで様々です。

令和元年に文部科学省から発表された資料によると、義務教育段階の児童生徒数は平成21年度から減少傾向ですが、特別支援学校等の児童生徒数は約2倍に増加。また、発達障害の可能性のある児童生徒の在籍率は6.5%程度(医師の診断ではない)と記載されています。

「何だか他の子とは違う。」「落ち着きがない。」など「うちの子発達障害かも…?」と不安な気持ちを抱える方も少なくないのではないでしょうか。

もしかするとその原因は「栄養不足」かもしれません。発達障害だと思っていたのに、食事を改善したところ症状が治まったという症例もあるんだとか。既にお医者さんから発達障害の診断を受けている場合も、食事を工夫することでお子さんのサポートに繋がるかもしれません。

タンパク質不足が心と体の不調の原因かも

最近「タンパク質」が注目を浴びていますよね。日本の現代の食生活は欧米化が進んだことで糖質や脂質過多の傾向があり、量やカロリーは摂取できていても、体をつくるのに欠かせないタンパク質が不足していると言われています。実際に厚生労働省はタンパク質の重要性を見直し、摂取目標量が大幅に引き上げられました。

タンパク質は体をつくる栄養素ですが、脳においても重要な役割を担っています。脳の神経伝達物質の材料は「タンパク質」なのです。だからタンパク質が不足すると、やる気や集中力が低下し、落ち着きの無さの原因にも。また、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の材料でもあるので、イライラしがちでキレやすい…なんてことにも

実際にうつ病治療ではセロトニンを増やすためにタンパク質を摂る食事療法が取り入れられているそうです。また、落ち着きがない子どもの食事をしっかりタンパク質が摂れるものにしたところ、改善されたという話もあります。

お子さんの様子に気になるところがある場合は、タンパク質を中心に不足している栄養素が無いか、食事を見直してあげることがおすすめです。

発達期のセロトニンが重要

発達障害を抱えた人はセロトニンが少ない傾向があり不安や心配を招きやすく、落ち着きがない、突然声を上げるなどといった行動と関係があると言われています。自閉症の方の脳内においてセロトニンが減少していることや、発達期のセロトニンの重要性については、研究が行われ数々の論文が発表されています

脳の大きさは6歳で成人の90%にも成長するといわれています。お子さんの成長のためにも、この時期に必要な栄養素が摂れるような食事のサポートはとても重要ですね。また、発達障害のお子さんがいる場合も、食事を工夫することで不安な気持ちを和らげてあげることができるかもしれません。

脳の健康のための食材「ブレインフード」

私たちが1日に消費するエネルギーのうち、約20%は脳で消費しています。そう考えると日々の食事って脳にとってすごく重要ですよね。ここまではタンパク質がとっても重要であることをお伝えしてきましたが、その他にも積極的に取り入れることをおすすめしたいのが「ブレインフードです。ブレインフードとは、脳の働きを活性化させる効果が期待されている食べ物のことで、様々なものがあります。

(1)魚

鮭や青魚にはDHAEPAが豊富に含まれています。集中力や記憶力向上、認知症予防に効果があるといわれています。また、タンパク質も豊富な食品です。

(2)ナッツ

神経伝達に必要なコリンビタミンEが多く含まれていて、抗酸化作用があります。中でもくるみにはα-リノレン酸が多く含まれていて、体内でDHAに変化します。

(3)ベリー

強い抗酸化作用を持つアスタキサンチンが多く含まれていて、目や脳で働くことができます。脳の衰えや疾患予防への期待も高い成分です。

(4)チョコレート

エネルギーとなるブドウ糖を多く含み、原料のカカオには抗酸化作用のあるテオブロミンを含んでいます。また、カカオポリフェノールによってBDNF(脳由来神経栄養因子)と呼ばれる脳内物質を活性化させ認知能力の向上も期待できます。

(5)大豆製品

レシチンが多く含まれており、体内に吸収された後には神経伝達物質の材料になります。頭がすっきりし記憶や認知能力を左右するともいえる成分です。

 

ブレインフードと呼ばれる食材は他にも数多くあります。発達段階にあるお子さんのサポートに普段の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。また、これらを食べるだけでなく栄養バランスが取れていること、そして大事な栄養素は日々消費されてしまうので、コツコツ継続することが重要です。

お子さんの健やかな成長のために、「タンパク質」と「ブレインフード」上手く活用してくださいね!