もう肌荒れがひどくならない為に。アトピー性皮膚炎とは

アトピーは、日本皮膚学会によると、「増悪、寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ（アトピー性皮膚炎診療ガイドラインより）」と定義されています。

要するに、「良くなったり悪くなったりを繰り返すかゆみの湿疹のことで、アトピー素因がある」ということですね。

アトピー素因とは、3つあり、

①本人または家族が、アレルギー性の病気＝ぜんそくやアレルギー性鼻炎などを持っていること。

②家族にアトピーになった人がいる。(遺伝)

③IgE抗体を産生しやすい(アレルギーを引き起こす元の免疫機能)

この3つがアトピー素因です。

アトピーは、様々な環境的要因と体質的な要因(上記3つ)が重なって皮膚炎の症状が現れると考えられます。
しかし、症状や条件は、人それぞれで原因が1つではない多因子性の病気といえます。

アトピーの対処方法

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が弱まっていて、そこに悪い刺激が加わることで炎症を起こしてしまいます。
炎症が起きている状態では、まずなによりも炎症と過剰な免疫反応を抑えないといけません。

その為、まず炎症と免疫反応を抑える「適切な薬」を塗布し、症状の改善と共に、徐々にその薬の量を減らし、最後には薬ではなく保湿剤に移行していくのが正しい治療といえます。
そのため必ず炎症が起きた場合は、かかりつけの主治医に相談し正しい判断を仰ぎましょう。

炎症を落ち着かせるために行うことは、刺激に負けないバリア機能を備えた皮膚へ導くことが重要になります。
そのためにはスキンケアでしっかりと清潔に保ち、保湿をすることが重要です。

皮膚には、常在菌というさまざまな菌が存在しています。
そして健康な皮膚は弱酸性で、常在菌がバランスよく存在する環境が整っていますが、アトピー性皮膚炎の方は、ややアルカリ性に傾きやすく、常在菌による皮膚のバリア機能が低下し抵抗力、殺菌力が弱っている状態です。

特に「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる菌は病原性が高く、皮膚表面がアルカリ性に傾くと増殖して、アトピー性皮膚炎を悪化させることがわかっています。そのため、乾燥が気になっても体を洗い汗を流してこの「黄色ブドウ球菌」を増やさない事が重要です。

またバリア機能が低下している肌には、「保湿」がとても重要で入浴後などは間隔をあけずに保湿しましょう。

炎症の原因となるアレルギー症状を引き起こす原因物質(アレルゲン)がわかる場合は、しっかり取り除きましょう。
アレルゲンは、ダニ、ダニの死骸、ペットの毛やフケ、食物や、花粉など様々な原因があり、人によっても異なります。

まずは、しっかりどのアレルゲンが反応しやすいかや原因の特定をして、特定できた場合は、取り除くように心がけることが大切です。
しかし、いくら心がけても全てのほこりやダニを完全に排除するのはとても難しいので、ストレスを抱えるほど神経質にならないようにしましょう。

アトピーは、日頃から清潔にするためのスキンケアと正しい治療、原因となるアレルゲンを除去することの重要さを紹介しました。
特にスキンケアで清潔にして、肌のバリア力を取り戻すことは非常に重要です。

肌本来のチカラを取り戻して、アトピーに負けない体を作りましょう。